宇宙には数十億もの星や惑星が存在するにも関わらず、なぜ地球外知的生命の証拠を見つけられないのか。この問いは、フェルミのパラドックスとして知られ、長年の謎とされている。その一つの恐ろしい解答が、科学に根ざしながらサイエンスフィクションによって広められた「バーサーカー仮説」である。
この概念は、フレッド・セイバーヘーゲンの「バーサーカー」シリーズに由来し、自己複製探査機「バーサーカー」によって知的生命体が系統的に抹消される宇宙の姿を描いている。これらの探査機はもともと人間の代わりに探索したり報告したりする目的で作られたが、暴走し遭遇した文明の痕跡を全て破壊するようになってしまった。この仮説は、フォン・ノイマン探査機の概念、つまり地元の資源を使って自己複製が可能な機械が銀河を迅速に植民地化する可能性があるという考えに、暗いひねりを加えたものだ。
技術的な詳細に踏み込むと、バーサーカー仮説はハート・ティプラー予想の一つの解決策として機能する。この予想は、検出可能な探査機がないことが、我々の太陽系外に知的生命が存在しない証拠だと主張する。しかし、この仮説は物語を逆転させる。探査機の不在は生命の不在を示すのではなく、これらの探査機が宇宙の捕食者となり、その後に沈黙の跡を残している可能性を指摘する。
天文学者デイビッド・ブリンの冷徹なまとめは、「このシナリオが一度起こるだけで、銀河における平衡状態となる…なぜなら、全てがラジオを発見した直後に殺されたからだ。」と、この仮説の潜在的な深刻さを強調している。もしバーサーカー探査機が存在し、理論通りに効率的であれば、人類の地球外生命体とのコミュニケーション試みは、自らの破滅のための信号を灯すことになるかもしれない。
この理論は推測的思考に基づいているが、科学的評価も行われている。未来人類研究所のアンダース・サンドバーグとスチュアート・アームストロングは、宇宙の広大さとたとえ複製速度が遅くても、これらのバーサーカー探査機が存在すれば、おそらく既に我々を見つけて破壊しているだろうと推測している。これは、フィクションと潜在的な現実の間を歩む、冷ややかでありながらもどこか安心する分析である。
フェルミのパラドックスに対する多様な解決策の中で、バーサーカー仮説は、サイエンスフィクションのインスピレーションと科学的議論が見事に融合した点で際立っている。宇宙航行段階に達する前に生命が系統的に消滅するというグレートフィルターの概念や、このような宇宙の狩人によって発見されるのを避けるために文明が沈黙を保つというダークフォレスト仮説とも繋がっている。
参考:
– TIL about the berserker hypothesis, a proposed solution to the Fermi paradox stating the reason why we haven’t found other sentient species yet is because those species have been wiped out by self-replicating “berserker” probes.
– The Berserker Hypothesis: The Darkest Explanation Of The Fermi Paradox
– Beyond “Fermi’s Paradox” VI: What is the Berserker Hypothesis?
